TOSHIRO

MORI

about

Formless Shape 境界のないものの在りかた

2010 | 卒業制作

「かたちのないかたち」を目指して試行錯誤を重ねる中で発見した、ベルクロテープと粘土の中間の性質を持つユニットです。このポリアミド樹脂で出来たユニットは、塊にすると互いに絡み合い、練りゴムや粘土のように感覚的な操作で様々な形をつくることができます。使用者が状況に合わせて最適な形を与えることで、この塊はカーテンやテディベア、フロアマット、ソファなど、様々な形・機能を発現します。この塊の性質は、Cの字型の小さなユニットが互いに絡まりあうことで生まれています。ユニットのCの字型の開き具合や一つ一つの大きさ、材質などを変更することで、塊の粘り強さや手触りの柔らかさ、剛性などを任意に設計できます。

 

私たちと身の周りにある道具の関係性は、その道具の形と、その形が生み出す機能によって決まっています。そして、形によって機能が実現されているからこそ、形が失われた時に機能も同時に失われてしまいます。しかし、このユニットの塊は、使用者が何かを作るまでは特定の形も機能もありません。そして特定の形を持たないため、壊れていることと壊れていないことの境界もありません。そのため、このユニットは、私たちが特定の形を持たない新しいプロダクトのあり方を想像するための手掛かりになるのではないかと考えています。

 

 

本作品は、美術系大学の卒業制作を対象としたコンペティション MCJDA 三菱ケミカルジュニアデザイナーアワード2011において大賞を受賞しました。応募のきっかけをくださった濱田芳治准教授、アワード審査員の方々ならびに関係者の皆様、ありがとうございました。

 

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